御局の訪問記。

大水槽やジンベイザメ、その他の見所紹介は『美ら海水族館』のHPや
ネット上で見られますので、あまり撮っていません。
あくまでもジュディ−の「思う所」です。



2003年1月21日〜24日まで『美ら海水族館』に、行ってきました。
泊まったホテルは「ロイヤルビュ−ホテル」。
何が「ロイヤルビュ−」なのかと言うと、窓下にすぐ「水族館」が見える所です。
・・・って、ほんとうは違うんだろうけど、(^_^;)水族館フリ−クとしては、
心底「ロイヤル」な「ビュ−」なのでございます。


グレ−の屋根が「美ら海水族館」
朝起きて窓を開けると、顔が笑っている事に気づく。(^o^)
「ああっ!マンタが私を待っているぅ〜♪」
いつものハイヒ−ルを脱ぎ捨て、100mを10秒くらいの早さで
ホテルの裏庭を駆け抜ける。
プ−ルの奥に小さなホテル専用のゲ−トがあり、実にお手軽に
水族館入り口までゆけます。
ただし高低差がありますので、階段がございます。
実は、飼育の方もココに泊まることが多いとか・・・そりゃ寮より近いでしょうね。
さて、営業時間は9:30〜17:00。
我々の感覚で言うと、一日は非常〜に短いのであります。


長いエスカレ−タ−の右が登りで左が降り。
でも、出口はこの建物の写真に写っていないズ−と左端にあります。
で、エスカレ−タ−を登って右がレストラン。
晴れた日はココからも絶景の海が見えます。
メニュ−は、ハンバ−ガ−以外、ビュッフェ形式に。
お腹が空いていたらココですね。
水族館には順路があり、先に上に上がって観覧しながら降りてくる感じは、
『海遊館』っぽいです。
しかし、ただトコロテン方式で押し出されない工夫がされていて、
とても居心地が良いのです。
まっ、我々このHPに集う人間にとって水族館の順路なんて、
はなっから無きに等しい観覧の仕方をしてますけどね。

マナティ−やイルカなど海獣類は、新しくできた館の外の、
それぞれ独立した建物の中にいます。
沖縄ですので、さすがにラッコは居ません。 それから鰭脚類も。
今の時代、どんな気候条件でも飼育できない生き物は居ないでしょう。
しかし人気があるからと言って、どこの水族館へ行っても同じような
生き物が居るのでは、結局ビデオで映像を見る程の感覚、感動しか
与えられないに違いありません。


エスカレ−タ−を登り切って水族館の入り口前です。
この眺めはドコの水族館もけして真似が出来ないもの。
「美ら海」そのものが一つの展示だと言えます。
(・・・すみません約一名、海に見切れています。)


『今回、御世話になった、長崎佑(飼育展示課・課長)さんです』
とてもナチュラルで、気持ちの暖かさが言葉の端々にそのまま人柄しとて
伝わって来る方でした。
皆様すでにご存じのジンベイザメやマンタの居る大水槽を、いろんな
高さから観覧出来るスロ−プは、長崎さんが以前訪れたオペラ劇場から
ヒントを得て作られたそうです。
そういえばなるほどっ!て感じですね。
飼育の仕事って部外者から見ると、この道一筋とか、他には興味がありませんって
感じに思われがちですが、ジュディ−が出会った人達はみんな、素晴らしい経験と
何でも興味を持ち、そして素敵なお友達を持っていらっしゃる方ばかりでした。


ジュディ−が2日間のあいだに、2時間以上座っていたかもしれないティ−ル−ム。
足下から遙か頭上高くまで、水の碧が全身を包み込みます。
こんな風にお茶を飲めるとこるは、きっと無いと思います。
水槽近くのテ−ブルは両端を壁のような柱に囲われ、個室のよう。
吸い込まれるように水槽を見つめていると、ストンッと海底に
降り立ったような気分になれます。
ジンベイザメが自分の目前で右から2匹左から1匹・・・そして、その奥から
重なり合うようにマンタが群れで近づいて来たときはもう涙が出ました。
さすがにあの大水槽でもそうそう見られる光景では無いのでしょうが、
もちろん自然界では絶対出会えない瞬間でしょう。
出会えない出会い、見えないものを見せる空間、行けない所に行ける場所。
それが水族館なのですから、ほんとうに満足(幸せ♪)な時間を
過ごさせて頂きました。


「イッタンモンメ!・・・・・・・うそです。」
アクアル−ムという場所から見上げたジンベイザメのおなか。
真下から見ると以外とスリムなんです。
トンネル水槽を採用した水族館は数あれど、これだけ曲げガラスが
中の生き物を歪ませずストレ−トに見せる施設は無いと思います。
数段の階段に、絨毯が敷かれたアクアル−ムでは、皆さん
腰を下ろし、口を開けて上を見ておいででした。
ココで数時間過ごす方もいらっしゃるみたいです。
長崎さんもオススメの場所です。
頭上はあまり深さが無いように見えるのですが、なんと水深7メ−トル!
ジンベイやマンタが悠々と通過していいます。


「立ち食いジンベイ・・・・・・なんか立ち食いって言うと」
そして大水槽の大きさを示すジンベイザメのお食事シ−ン。
立つと言っても歩くわけじゃないけれど、魚が縦になっただけで何故か感動します。
しかしこれはジンベイザメ本来の捕食行動。
水族館で行われるショ−や芸は、その動物の運動能力の素晴らしさを
理解して貰うためや個々の必要性に伴い行われます。
全て飼育動物側には無理のない普通の行動を、人間側が
ショ−アップして見せているのです。
人間の都合で作られた施設であり機構なのですから、
人間側が努力するのが当たり前。
アクリルという存在が二つの全く違う世界を同じ場所に存在させ、
また分けているのが水族館。
そこから人間以外の生き物への理解と違いとを学びとらせるのが人の力、
飼育の人達の力量に他なりません。


ぶつかってくるのかと思うぐらい真っ直ぐ泳いで来てくれたマンタ。
目の下あたりにペロペロとたれているものが、クルクルと巻き付いて
角のような形になるんです。
一度その瞬間を見たかったのですが、御陰様で水槽をみている間に
なんどもその光景に出会えました。
こんなにしょっちゅうグルグル、ペロペロを繰り返しているものだとは
思っていなかったのでまたまた驚きでした。
お食事の時、口を思い切り開け、身体を旋回させている姿がとても
綺麗で、たぶんみていた私もしっかり口を開いていたと思います。


「イカ飯・大 イカ飯・小・・・・・ウソ、マナティ親子です」
今日は大好きなニンジンをいっぱい貰ってすごく幸せそうでした。
チビマナティ、一度で良いから抱っこしてみたい。


イルカのオキちゃんは、「沖縄海洋博」の時からショ−をしている
現役キャリア・イルカです。
スタ−であり、そして母という事でも現役。
実に素晴らしい、頭の下がる思いです。


今回ジュディ−が、と〜ても気に入った「サメ博士の部屋」
(チョッとサメの歯に見切れている人が居ますが気にしないで下さい)
ココは触れるサメの模型、歯、皮などがあり、目の不自由な方でも
わかってもらえることが多く好評だそうです。
「動物園」と違い「水族館」は、多くがアクリルの向こうにあり、ある意味
テレビのブラウン管のようになってしまいがちです。
臭いも温度も無く、触れられもしないのでは、目の不自由な方に限らず、
参加出来ない疎外感が伴う場合もあります。
美ら海水族館では、「タッチ水槽」「深海の水の冷たさを指で確かめる水槽」
サメ博士の部屋しかり、その他そこここに触れられ試してみられる場所が
設置されていました。
アクリルや水槽というハ−ド面の進化ばかりが水族館を
新しくするのではないのですね。
たぶんこれからも水族館はどんどんその場所に相応しく、そして
新しくなって行く事でしょう。


水族館すぐ下の砂浜。この美しさ!
水槽への取水はまさしく汲み放題!
この前の海からふんだんに取り入れているのだそうです。
サンシャインの人とか、無茶苦茶羨ましいでしょうねぇ。(^_^;)
それにしてもゴミ一つとして落ちていませんでした。
ジュディ−が行ったときは波も高く、少し荒れていたのですが、
波打ち際は白い砂だけを巻き上げ、スッ−と帰していくばかりでした。
漂着物が無くて・・・。
普段何か落ちているのが当たり前と思っている自分がいたことに、
あらためてショックを受けました。
水族館の展示で、生き物達がゴミを飲み込んだ胃袋を見せてくれていました。
海を切り取っただけの器ではない施設。
命の器の「水族館」。
「美ら海」と、あえて言わなくても、ただ「海」と言うだけの日が来ることを、
この「美ら海水族館」は願って居るのかもしれません。